自宅でテレワークを行なっていると、もっと環境を良くしたいという欲に駆られる。仕事のパフォーマンスに直結するツールだと尚更。ちょうど先日Bluetoothキーボードのよく使うキーに不具合が出た為、本格派のメカニカルキーボードにトライすることにした。
軸は何を選択するかという問題
一般的なメンブレン式と異なりメカニカルは言葉通り機械というか機構があって入力される方式なので、スイッチのようにカチャカチャ音がするのが特徴。指に伝わるカチッとした触感と音が心地よく感じるが、周囲の人には耳障りな雑音とも言える。
結論から言うと私はCherryMX製の静音軸であるピンク軸を中心に選ぶことにした。ここでは軸の詳細な説明は割愛するがカチャカチャ高い音でスイッチ感の強い青軸、タクタイル型の茶軸、リニアの赤軸がメインどころだろうか。
ピンク軸は静音性が高い赤軸をさらに静音化したような軸でカチャカチャという音はせずスコスコという感じでスイッチ感は少ない。その点で物足りなさを感じる人はいるかもしれない。音についてはYouTubeに沢山動画が上がっているので参考にして頂きたい。
使いたくなるようなデザインも重要
メーカー選びとしてはゲーミングよりの派手なデザインならlogicool、RAZER、Steelシリーズ、仕事メインなら少し落ち着いたデザインのアーキス、フィルコあたりを候補としてピックアップした。
最終的にはアイコニックなキーカラーと耐久性に優れるPBT樹脂キーを採用したアーキスマエストロ2Sを選択。マエストロ2Sはテンキー付きながらコンパクトデザインでデスクのスペースを有効活用できる点が魅力的なメカニカルキーボード。
マエストロ2Sの使い心地
ノーパソの薄めのロープロファイルキーに慣れ親しんだ私にとって、当初はキーの背が高いメカニカルは違和感を感じた。このキーボードに1.5万円かけたわけだが予算を積み増してロジクールのG913のようなロープロファイルメカニカルを買うべきだったのだろうか、と一瞬考えたが人間とは慣れていくもので使っていくうちに入力がスムーズになっていった。
(追記) 使用後2ヶ月経った今となってはロープロファイルが逆に物足りなく感じてしまい、このキー高さのメカニカル以外は使いたくないと思い始めている。
ピンク軸特有のスコスコした触感を感じながら入力するのが癖になっていくのがわかる。
しかし私にとって致命的な点も二つ。一つは右下のshiftキーが小さく押しづらい点。これでミスタッチ連発。二つ目はdeleteキーのがキータッチのホームポジションから遠くスムーズに入力できない点。これもミスタッチ連発の元に。これらは気にならない人には全く問題ないので実際の使用スタイル次第と言えよう。私はキーキャップを凹凸のあるものに入れ替えて解消しようかと考えている。
キーボード自体はずっしりとした重みがありキータッチ時にズレるようなことは皆無。反面、頻繁にキーボード位置を変えるひとにとってはいちいち持ち上げて位置替えする必要がありちょっと手間かもしれない。
キーボード背面には左右と上側の3パターンにコード配線できる通り道がありデスク上の配線管理に役立つ。これは地味に有難い。
やはり比較的高価なメカニカルということもありキータッチは非常にしっかりしていてキーの安定感はメンブレンタイプとは比較にならない。これに慣れた後はiPad用に使用しているモバイル用の薄いキーボードが非常に打ちづらく感じるようになった為、ipad pro用にこのキーボードが使えるようにハブを買おうかと思っている程だ。
(追記)キーボードに付属の変換アダプタ(USB-A→USB-C)を使うことでiPad Proでも使用出来ることを確認。
実に物欲とは恐ろしいもので他の軸や他メーカーのものも試したくて仕方がない今日この頃。テレワーク用にチェアとデスクライトも新調したいのでここはグッと物欲を堪えてこのマエストロを愛でながら仕事に励みたい。
(21年5月26日追記)
1年間ほど使用したので再レビュー。
keychron K2と比較して、キーキャップの素材感(PBT樹脂)と厚みがある為、キータッチ音が低めで静音性とタイピングの心地良さは段違いに感じる。
高価格帯のReal ForceやHHKB等の静電容量無接点方式よりも価格が小慣れている為、まず本格的なキーボードにトライしたい場合はmaestro2sやFILCO majestouchあたりが正解なのではないだろうか。
一点気になるのは、購入したモデルが有線タイプだった為、コードの煩わしさがあること。ガチゲーマーは反応速度と安定性が高い有線を好むそうだが、仕事に使うなら配線がスッキリするワイヤレスタイプがオススメだ。