冬は足元から冷えることが多く、スラックスも起毛素材が欲しくなる。
一方で、空調の効いたビル内では厚手のウールフランネル素材は暑すぎることも多く、冬のジャケパンスタイルには専らチノパンを用いることが多かった。
コーデュロイは綿素材ながら厚手で暖かく、しっかり履き込んでいくと生地も柔らかくなる魅力的な素材。暑がりの人でもウールフランネルよりは暑くなりすぎないのが良い。
今回は老舗メンズショップのMitsumine(ミツミネ)で見つけたコスパ抜群のコーデュロイパンツを紹介したい。
Mitsumineミツミネとは
創業70年を超える老舗の衣料品店で紳士服、婦人服、雑貨を販売している。都市部の出店数はそう多くないが、アウトレットにも出店しているので、そこで知ったという人も多いのではないだろうか。
東京では新宿にMitsumineブランドの店舗があり、主に紳士服を販売している。
メディアでの露出度は高くなく、というかほとんどみた事がなく、“知る人ぞ知る“的なショップかもしれない。
コダワリの紳士服・雑貨を取り揃えるCRICKET/PUBSと少し似た立ち位置のように思われる。
日本製のプロダクトが多いが、手に届きやすい価格帯のモノをラインナップしている。有名セレクトショップと比べて非常に地味な印象があるが、そういった良心的なスタンスがファンを生み、長年生き残ってこれたのだろうと感じた。
私の好きな言葉でもあるが「質実剛健」といった趣である。
また、他にもCRICKET/PUBSと似通っている点は「ECに非常に弱い」という点である。オリジナルECサイトの品揃えは非常に脆弱で、店舗で見て「いいな」と思ったものを後からWEBで検索しても、大体無い。
今の時代、SNSやインターネットをうまく活用することで自分達の理念に共感を持ってもらえる顧客層を広げられるチャンス。しかし、ちょっとそこに対する感度が弱い。
反面、流行に流されすぎず、スタンダードなモノをラインナップし続けるというのは、ある意味貴重な存在だ。
正直、メンズファッションというのはそうであって良いと感じる。
スラックス選び
白状すると、本当はインコテックスやPT Torino, ジャブスアルキヴィオ等のイタリアのパンツ専業ブランドが作る、ウエストゴムのイージースラックスが欲しかった。
しかしお値段3〜4万円はちょっと手が出ない。
そこでセレクトショップで掘り出し物を探すことにしたのだが、久しぶりに新宿のセレクトショップを散策すると、やはり街自体が若い年代が多いせいか、目当てのスラックスが全然見つからなかった。
スラックスが目当てであれば、丸の内、有楽町あたりにすべきだったかもしれない。
事前にノーチェックであったミツミネの店舗を見かけたので立ち寄ってみると、日本製のスラックス・パンツ類が結構あり、お値段も1万円台前半という良心価格であった。
何本か試着させてもらい、結果、絶妙なフィット感と色合いのコーデュロイパンツを購入させてもらった。
ブラウンとベージュの中間色のような絶妙な色合いで、ブラウン一言では言い表せない、ココアっぽい感じの色。
細縞のコーデュロイなのでジャケットと合わせても綺麗にはまってくれる。
ちなみに余談であるが、試着させてもらったミツミネのスーツはとても柔らかで良い着心地だった。スーツもそこまでお高くなかったので、是非今度トライしてみたい。
こちらのコーデュロイパンツも日本製ながらお値段は約1.3万円(税込)のお手頃価格。
ウエストの裏側にはブランドタグとパープルのパイピングがされている。表地にあったら困るが、裏地にこういった遊び心があるのは悪くないと感じた。
着用イメージ、サイズ感
176cm、73kgでLサイズを着用。ウエストも程よく、かがんだり椅子に座った時も苦しくないくらいの良いサイズ感。
OFFスタイル
ユニクロのエクストラファインメリノクルーネックニットと合わせてみた。
少しドレス寄りの綺麗目な感じに仕立ててくれる印象。
当初、裾仕上げをダブルにしようと思っていたが、「コーデュロイは生地が厚い分、ダブルにするとかなりボリュームが出てしまう」とのアドバイスをもらい、シングル仕上げにしたが、結果的に店員さんのアドバイスは正解だった。
ONスタイル
その上に同じくユニクロのコンフォートブレザーを羽織っただけで、ビジカジスタイルが完成。
コーデュロイ自体は2%のポリウレタンが含まれており、ストレッチ性はあるが、シワは多少つきやすい。
ズボンプレッサーか、アイロン(テカリ防止に当て布は必須)でクリースを入れると良いだろう。
まとめ
冬のジャケパンスタイルにミツミネのコーデュロイパンツ。これは思わぬ収穫となった。
ちなみにミツミネのドレスシャツはちょっと奇抜すぎるデザインが多いので、もう少しオーソドックスなものがあれば是非トライしてみたいところ。