Keychron K2購入その後
購入してから半年以上経過したKeychron K2・V2のGateron茶軸モデル。
購入当初は若干カチャカチャ音が気になりつつも、①貴重なMacキー配列、②Bluetooth5.1/3台同時ペアリング可、③240時間の使用が可能な大容量4000mAhのバッテリー搭載、といった優れた機能を持ちつつ、価格も1万円未満という圧倒的なコスパにより、代替となる競合キーボードはなく、主にiPad Proでのブログ投稿に使用していた。
しかしやはり、カチャカチャとした高音が少し耳障りで、特に夜に使うときは気を遣うことが多く、その点が唯一と言って良いKeychron K2の弱点だった。
一時はキーボードを買い換えようとも考えたのだが、「折角買ったのだから、Keychronを魔改造して最高のキーボードに仕立て上げよう」と思い立ち、“静音化カスタム“に着手することにした。
今回行う静音化カスタマイズは以下の2点である。
- 静音化シリコンリング装着(サイズ社静音化リング)
- 標準ABSキーキャップから サードパーティ製 PBTキーキャップへ交換
※参考‘ Keychron K2購入レビュー記事
標準ABSキーキャップの問題点
Keychronに標準で装備されているABS製のキーキャップは表面がサラサラマットな質感にコーティングされているが、皮脂による“テカり“が徐々に出てきて、モノをぶつけた際の表面コーティングの“欠け”も散見された。
また、キー自体が1.1mmと薄く、このことがカチャカチャと高音でやかましいタイピング音を招いていると考えた。
静音化に使用した商品
今回使用した商品は「サイズ社の静音化シリコンリング」と「HK-Gaming PBTキーキャップ」。
PBTキーキャップは国内のAmazonで取り扱っているが、カラバリの豊富なAmazon USで発注した。8/18にオーダーし、エコノミー配送で9/3到着予定となっていたが、実際には約1週間後の8/24に届いた。ネットで評判のあまり良くないECMSという配送業者だったので不安を感じたが、結果的には良い意味で期待を裏切ってくれた。
HK-Gamingのキーキャップを開封
HK-Gamingはその名の通り香港の企業で、様々なキーキャップを安価に販売しており、海外でのクチコミも上々。キーボードマニアの間では有名なキーキャップメーカーだ。
この他、「YMDK」、「Drop」、「KBDFan」等の有名メーカーのHPもチェックしたが、ロープロファイル(背が低め)のCherry Profileで文字の劣化がないダイサブ(昇華印刷)、肉厚PBTキャップ、という条件で、最もコスパの良さそうなHK-Gamingをセレクトした。
キー外観
表面はサラサラしていて汚れも付きにくそうなテクスチャー。
ダブルショットではないので、Keychronのバックライトで文字の印字部は光らない。文字を光らせたい場合は、少し値段が高くなるがダブルショットを選ぶのが良いだろう。
Cherry Profileはメカニカルキーボードのキーキャップの中でも背が低めで、元々ボトム部が高めのKeychron K2に装着することで、“キー面の高さを低くできる点“も今回のカスタマイズのメリットに挙げられる。
Keychronのキー印字とサイズは少々特殊であり、特にファンクションキーにMacコントロール機能があるため、この点にコダワリがある場合は、Keychron純正のPBTキーキャップにする方が良い。
キーキャップの厚みをチェック
標準のABSキーは厚みが1.1mm、HK-Gaming PBTキーは厚みが1.2〜1.4mmとばらつきがあった。これは厚みを斜めに測っている為、計測方法による誤差の可能性あり。
全体としてはやはりHK-Gaming PBTキャップが肉厚となっている。
静音化リングの装着
まず純正ABSキーキャップに静音リングをはめてみたところ、一つだとほとんどタイプ音が変わらない結果となった為、リングを2重に装着してテストすることにした。
HK-GamingのPBTキーは元々背が低いキーキャップの為、リングを一つはめてテストした。
余談であるが、リングを付けたり外したりする際に指では作業できないので、先の細い工具があると便利だ。
タイピング音は次項で紹介していく。
実際のタイピング音と静音化効果をレビュー
流石に文字だけでは伝えきれないのでYoutube動画をアップしてみた。そちらでご確認いただきたい。
結果について以下にまとめてみた。
評価項目 | 標準ABSキー | ABS&リング | PBTキー | PBT&リング |
タイピング音 | × | ○ | △ | ○ |
タイピングのしやすさ | △ | × | ○ | ○ |
打鍵感 | ○ | × | ○ | △ |
指紋の付きにくさ | × | × | ○ | ○ |
耐久性(印字等) | △ | △ | ○ | ○ |
結論から言うと、私は「静音リング無し&PBTキー」が最も良いと感じた。
静音化リングは確かにタイピング音の軽減には効果を発揮したが、打鍵感がフニャフニャしてしまい、メカニカルならではのカチっとした打鍵感が薄れてしまった。
また、キーによってはタイミングしたつもりが文字入力出来てない、ミスタイプも増える傾向があり、特に良く使うキーでミスタイプを連発するとストレスにつながる為、結局静音化リングは外すことにした。
静音化リングをつけると、打鍵音はカチャカチャ→カタカタに変わり、音自体は非常に心地よくなっただけに残念なポイントだった。
Keychronのキーキャップ交換はオススメ
静音化だけでなくお好みのカスタマイズを楽しめる!
キーボード沼にハマった後に待ち構えているのは、おそらくキーキャップ沼だろう。そのくらい種類が豊富で、お気に入りの素材やカラーに変えて楽しむことができる。
見た目が鮮やかになり、オリジナル感が出て、よりキーボードへの愛着が湧くはずだ。
プロファイルタイプを厳選すればお好みのキー高さに!
私が仕事用に使っているアーキスMaestro2Sのキーの高さが個人的な好みであるが、今回Keychron K2にCherry ProfileのPBTキーを取り付けたことでほぼ同じキー面の高さになった。
標準ABSキーは背が高いので、キーに指を突っかけることがたまにあったが、PBTキー換装後は快適なキータッチを楽しめる様になった。
プロファイルはOEMやXDA等、かなりの種類があるので見た目や打鍵感の好みに合わせて吟味したほうが良いだろう。
ネットで「キーキャップ、プロファイル」と調べると多くのサイトが説明してくれる。
正直今回のカスタムを行うまで気がついていなかったのだが、Keychron K2には2段階のチルト調整可能な足がついているので、収納時含め3段階までの調整が可能だ。
カスタマイズ製を重視するなら「ホットスワッパブル」、「Keychron C1/C2」
私が購入したKeychron K2は最も安い構成だったので、変えられるのはキーキャップのみで軸までは変えることができない。
現在では「Hot Swappable」というモデルもラインナップされており、そちらを選べばKeychron標準のGateron軸ではなく、Cherry MX軸への交換が可能となる。
つまりKeychronで究極的に静音化したい場合は、ホットスワッパブル品を買い、CherryMXの静音赤軸(ピンク軸)に換装し、さらにはキーキャップを肉厚のPBTにすれば最上級のKeychron静音バージョンが完成することになる。
もし無線接続に拘らないのであれば、比較的安価なC1/C2というホットスワッパブル対応の有線バージョンという選択肢もあるだろう。