ワイルドシングスの中でもプリマロフト中綿を使用したフラッグシップモデルの「デナリジャケット」。
冬のセールで値下がりしていたところをGETしたので詳細をレビューしたい。
WILD THINGSとは
米軍にもウェアを供給する本格派ブランド
アメリカ・マサチューセッツ州の登山家が1981年に設立。「LIGHT IS RIGHT」(軽く、タフでなければならない)をテーマに数々の名作ギアを生み出している。
優れた防寒性、耐久性などその製品力の高さから多くの登山家の支持を集め、米軍にも採用されている。
そう、アウトドアのみならず過酷な環境での使用にも耐えうるハイスペックミリタリーウェアのブランドなのだ。
その代表作といえば1983年の登場から、常にワイルドシングス最高峰のスペックを備えたアイコンとして君臨する「DENALI JACKET」(デナリジャケット)だ。
最近はオーバーサイズが流行りでもあるので、同ブランドの“モンスターパーカ”や“ハッピージャケット”は多くのセレクトショップで販売されている人気モデル。
しかし、ワイルドシングスのフラッグシップはやはりデナリジャケットなのである。
誕生当時から今日に至るまで、ほとんどデザインが変わっていない
多くのアパレル商品は時代に合わせてデザインをモディファイしていくのが常識である中、ほとんどデザインが変わっていない、まさに驚異的なアイテム。デザインが完成されていて、普遍的な存在へと昇華された。それがデナリジャケット。
イタリア人は流行を追わないそうだ。流行を追うことよりも自分のスタイルを確立することも方が重要、ということらしい。さすがファッショニスタの国はなかなか良いことを言う。
ワイルドスワンズのデナリジャケットも同じく普遍的な価値を築いているアイテムと考えると、ファッション好きな男心にずっしり響くモノがあるのは間違いない。
デナリジャケット、底知れぬ機能性
高機能素材(eVent, PRIMALOFT)
デナリジャケットに搭載されているeVENTという防水透湿生地は、GOREーTEXとほぼ同等の性能を備えた素材。
横殴りの雨風も凌げる防水性・防風性がありながら熱・汗を逃す通気性を高いレベルで両立した素材だ。
実際に着て感じたのは「暖かいが暑くない」ということ。これが高機能中綿のプリマロフトと合わさって実現した着心地の良さだ。
プリマロフトは米軍の要請により開発された超微細マイクロファイバーで作られた人工羽毛で、高い撥水性により天然羽毛が持つ弱点である「水濡れによって嵩が小さくなり保温性を損ねる」点を解消。
「保温性」、「軽量性」、「撥水性」、「柔軟性」、「通気性」、「収納性」が評価され、幅広い民生用に広がったとされている。
アパレルとしては、軽さや保温性はもちろん重要だが、自宅で水洗いできるアウター、という点が一番画期的な点ではないかと思う。
ディテール
まずファスナーはダブルファスナーを使用。ベルクロもついており、様々な着こなしや気候に合わせて着用方法を変えることができる。
そしてこのファスナー部は前後に風除けのフラップが付いていることで服内の温度を保つように作られている。
ファスナーの開閉もとてもスムーズで、脱ぐ時も着る時も全くストレスがない。
サイドポケットは手が入れやすいように斜めにデザインされていて実用的な作り。裏地のフリース素材は触り心地の良い薄く、柔らかく、かつとても暖かい素材で、細部まで手抜きしていないことが分かる。
フラップは大抵雨の侵入を防ぐ目的で付けられているが、実際に着てみて、このフラップのお陰でファスナーを開けっ放しでも隠してくれることでだらしなく見えない、というメリットも見えてきた。良く考えられている。
そしてこのファスナーの開閉も同様に、生地に引っかかるようなことは皆無で、スムーズでストレスフリー。
ネック部にあるストラップは少し大きめに作られていてハンガーがない場所でもフックにさっと引っ掛ける事ができる。このストラップは小さい事が多く、小さければ小さいほど引っ掛ける時にフラストレーションが溜まるので、個人的に嬉しい配慮。
着用イメージ、サイズ感
176cm、73kgの体型で、Lサイズを購入。大きくも小さくもなく、ジャストフィット。最近はオーバーサイズの服も多く、どのサイズを選べば良いか分からなくなってくるがデナリジャケットはいつも通りのサイズを選ぶのが良い。
小さいものを選ぶと、着丈や袖が短い可能性がある。
私は店舗で試着せずにネットで購入したので、届くまでサイズ感が少し不安だったが、その不安を吹き飛ばしてくれるようなフィット感。
シルエットもかなりカッコ良く、届いてから2日連続でコレしか着ていない。
コレだけは言いたい、デナリジャケットの素晴らしい点
とにかく軽い
以前はタトラスのNESTOREというダウンジャケットをメインで愛用していたが、それと比べるととにかく軽い。最近買ったユニクロ+jのオーバーサイズダウンパーカよりも軽い!
軽いと着ていて肩も凝らないし、脱いで持ち歩いても疲れることはないので良いことしかない。
暖かいけど、暑くなりすぎない
もともと暑がりでコートやダウンを着て歩いているといつの間にか暑くて汗をかいている筆者。そんな私でもデナリジャケットを着ている時はビルの中でも暑くなりすぎず、超快適な温度で全く汗をかいていないことに気がついた。透湿性が半端ない。
そしてお尻が隠れる程度のショート丈ということで動きが軽快で、これを着るためにどこかに出かけたい、と思ってしまうアイテム。
表地がサラサラで幸せな気持ち
一般的な防水透湿生地は少し硬くゴワゴワしている印象があった。しかしこのeVentを搭載したデナリジャケットは生地表面がサラッサラで、かつ全然ゴワゴワ感のない快適な着心地。
着ていると脳内からドーパミンが吹き出し、「もうこれを抱いて寝たい」という充足感、幸福感に包まれることは間違いないだろう。
縁起でもないが、私はもし世紀末が訪れたら真っ先にワードローブからこれを持っていくと心に誓っている。
在庫があるうちに買うのがベスト!
購入前にワイルドシングスとノースフェイスで迷っていたが、いずれも人気が高くあまり値下げにならなかった。最近ワイルドシングスも各セレクトショップの別注モデルも増え、年々人気が高まっている。人気のモデル・カラーは売り切れ必須なので、気に入ったら買いがベスト。
中でもハイスペックなプリマロフト中綿を使用し、流行に左右されないデナリジャケットが一押し。
デナリジャケットではオーバースペックと考えるなら「フリースライニングのデナリジャケット」、もしくは「キルティングジャケット」なんでどうでしょう。キルティングはプリマロフト使用でありながらも、お値段2万円台とコスパ高し!
フリースライニングのモデルは20年の派手な色から最新モデルは表地と同色の落ち着いたカラーになり、使いやすさがUP。十分な保温性を備えているので重ね着をする方や長いシーズン着たい方にはおすすめ。こちらも2万円台で買えるので既に品薄気味になりつつある状況。
流行のオーバーサイズを考えるなら「ハッピージャケット」、「モンスターパーカ」も定番の人気アイテム。
だめだ、色違いでブラックも欲しくなってきた。。。