この2～3年の間に着ないジャケットやスーツを断捨離しまくった為、外出の機会が多くなるとワードローブが少なく、いつも似たようなネイビージャケットを着ていることに気が付きました。
そこで、上品な印象のブラウンスーツに的を絞って物色した結果、Mitsumine(ミツミネ)の「千鳥オーバーペンセットアップジャケット＆スラックス」をゲットしたのでレビューしていきたいと思います。
Mitsumine(ミツミネ)を選ぶ理由
あまり聞きなれないセレクトショップですが、元々は戦前から生地を生産・卸売をしていたルーツを持っており、戦後の物不足の時代に復興の手助けになればと、”良質なスーツを適正価格”で販売(小売業へ進出)し始めたのがMitsumine。
詳細は過去のコーデュロイスラックスのレビュー記事で言及しているので、興味のある方はご覧ください。
そんなMitsumine、元々長く紳士服業界で根を張ってきただけありスーツの仕立ては間違いなく良いです。また、イタリアの高級生地を使ったスーツでも5～6万円台から買えるのは、「良いものを安く」という企業理念が脈々と受け継がれている証左を言えます。
高機能素材TRABESTを使用したセットアップスーツ
そんな伝統を持つMitsumineも、イージーケアが昨今のトレンドの一つになっていることを機微に察知してか機能素材を巧みに取り入れたスーツ作りをしていました。
「TRABEST（トラベスト）」は、ウォッシャブル、ストレッチ性、防シワ性、吸湿速乾性等を備える高機能素材でありますが、今回購入したスーツに使われているのは「TRABEST Thermo」！
保温性も備えているのが特徴です。
しかし、いわゆる冬物のウールツイードジャケットのような分厚く重い生地とは一線を画します。生地は薄くサラッとした質感で、着心地がとても良いです。暑がりの私でも丁度良い生地感・保温性だと感じます。冬用というより春秋も含め3シーズン活用させることができそうです。
スーツのディテールチェック
次にスーツのディテールを細かくチェックしていきたいと思います。ベントはセンターベントとなっており、バックスタイルはシンプルで軽快な見た目と言えましょうか。
袖は本切羽、ムラ感のある樹脂ボタンが使われています。
このボタンの色合いはスーツの色味との相性が絶妙です。
裏地は総裏仕様。ポリエステル生地だと思いますが滑らかで一瞬キュプラかと見間違えました。
スラックスのディテールチェック
裾は4.5cmのダブル仕上げにしました。一時期は太めのダブル幅が流行っていて5.5cmくらいの幅にする人もいましたが、最近では4cmくらいの細幅にトレンドが移りつつあるようです。4cmだと物足りなく感じそうだったので4.5cmとしました。仕上げは糸縫いです。ボタン留は個人的にあまり好きではないです。
スラックスのウエスト部分にはシャツがはみ出ないように滑り止めテープが標準で付いています。こういう細かい気遣いや丁寧なモノ作りは素晴らしいと思います。
そして最大の特徴とも言えるウエストゴムもセレクトショップやユニクロとは全く異なる仕様。
裏から見ると普通に両サイドにゴムバンドがあるだけですが…、
表から見るとウエストゴムが入っているとは全く気付かない縫製方法となっています。正直この丁寧でコダワリを感じる縫製には驚かされました。
ウエストがストレッチするスラックスというと、普通はギャザー（ひだ）が出ているものがほとんどなわけですが、これを考えた方は「消費者のニーズを真に分かっている人」だと思います。
サイズ感、着用イメージ
176㎝、76㎏の筆者が上下Lサイズを着用したイメージ。
Mitsumineのサイズ感は分かりやすいです。大体通常サイズを選べばOK。身幅やわたり幅に程よく余裕があり、着心地はとても良いです。セットアップなので単品使いも問題なくできそうなデザインなのも良いです。
ちなみに洗濯機で洗った後もシワは皆無です。イージーケアここに極まれり。
まとめ～Mitsumineで「良いものを安く」～
最近スーツは嗜好品化しつつありオーダースーツを好む人も増えているようです。確かに私なんかもスーツを着る機会は以前より減っているので、そもそも数が必要ない→いいモノを1着、という考えは分からなくもないです。
一方で、過去2回ほどオーダースーツを作った経験から言うと、1度や2度のオーダーで理想的なフィッティングに落とし込むのは難しいケースが多い為、既製品でサイズさえ合えば必ずしもオーダースーツでなくても良いとも感じます。肝心なのは自分の身体にあったサイズを選ぶというところでしょうか。
MitsumineはSNSや通信販売に力を入れればまだまだ伸びしろのあるセレクトショップだと感じます。それだけに、現状がややもったいない！とも思いますが、大量消費ではないコダワリ派のセレクトショップと言えるのかもしれません。
