「Shokz OpenComm 2」は、骨伝導技術を活用したオープンイヤーワイヤレスヘッドホンとして、従来の耳を覆うタイプのヘッドホンやイヤホンとは異なる使い心地を提供します。本記事では、筆者が半年間使用してきた感想を交えて「Shokz OpenFit Com 2」の良い点・課題点をレビューしていきたいと思います。
オープンイヤー型のパイオニア「SHOKZ」
SHOKZは創業以来、骨伝導や空気伝導技術をベースとした”ワイヤレスオープンイヤー・テクノロジー”に特化したブランドです。
米国で登録されたブランドですが、本社は中国深センにあります。同じく中国メーカーのAnkerやSoundpeats等は、10年くらい前までは販路がAmazon中心だったように思いますが、最近は大手家電店でも中華メーカーの取扱い・売り場面積、共に増えていることから、価格のみならずその実力という意味でも無視できない存在になってきていると想像できます。
Soundpeats製品は過去2回レビューしていますが、いずれも驚きのコスパと言える出来でした。
SHOKZも権威性のあるVGPという音響・映像機器のグランプリで受賞している実力のあるブランドです。
製品概要とデザイン
さて、今回購入した「Open Comm2 UC」はビジネスユースを想定したいわゆるワイヤレスヘッドセットです。SHOKZが持つ最新の骨伝導技術を採用したオープンイヤー型で、価格は定価で27,880万円。
UCモデルはBluetooth接続に加えて、USBドングル(USB-A, USB type-Cの各モデルあり)を使用した通信に対応したモデルです。
Bluetoothのみのモデルだと22,880円なので5千円の値差があります。私は会社PC, プライベートPC, そしてiPadで使用することを考え、USB-Aドングルが付いたモデルを選択しました。
本体を持ち運べるハードケースも付いてきます。しっかり保護してくれそうな作りですが、少し大きめなので私はあまり使っておらず、普通にガジェットポーチに入れて持ち運ぶことが多いです。
リモートワーク・ビジネスシーンの強い味方
ノイズキャンセリング機能付きのマイク
Open Comm2には可動式の単一指向性マイクが2つ(ブームマイク)が付いています。以前にリモートワークで会議中、夏休み中の小学生の息子の友達が家に来てゲームで大盛り上がりしておたので「ちょっとうるさかったらすみません(笑)」という話をしたら、同僚からは「全然聞こえないよ」と返されました。周囲のノイズをカットする機能が思った以上に優秀です。
使わない時は折り畳んでおくことができ、発言したり電話する時は口元にマイクを動かせばクリアに相手に声を届けることができます。会議の声質が良いと仕事ができる印象を与えることが出来るそうなので、ビジネスマンとしてこだわって損はありません。
ちなみに私の耳形状ではマイクを完全に収納する位置だと、軟骨にマイクが当たり痛くなるので真上にはね上げる位置~口元の間で調整しています。
最大16時間通話、急速充電に対応
最大16時間の通話、8時間の再生、そして充電不足の時も5分充電すれば2時間の通話が可能になる急速充電機能に対応しています。また60分でフル充電になります。
実際に長時間の会議では本モデルを使用することが多く、半日~終日の会議でもフル活用できるので心強いです。
充電は磁気誘電式で、付属のマグネットケーブルを使います。
外出時に沢山ケーブルを持ち運びたくないのでAmazonでサードパーティー製のコネクタを買いました。これがあればUSB Type-Cケーブルさえあれば充電できます。
Open Comm2の装着感
「Shokz OpenComm 2」は、非常に軽量(35g)でミニマルなデザインが特徴です。耳にかける形状で、物理的に耳を塞ぐことなく、長時間の使用でも耳が疲れにくいという利点があります。ヘッドバンドは柔軟でバネ性があり、頭のサイズに合わせてフィット感を調整できます。
また、肌に当たる部分にはシリコン素材が使用されており、滑りにくく快適な装着感を実現しています。
以下のようにぐにゃっと曲げても癖がついたりすることもないので耐久性も心配なさそうです。
私の耳形状では装着していて痛いと思ったことは一度もありません。一方、耳の横に側圧がかかるので少し苦手だと言う方もいるかもしれません。音量を上げ過ぎるとビリビリとした微振動が伝わるので私は音を適度に調整して使っています。
※頭の横幅が大きい人はより側圧を感じやすくなるかもしれません。
低音域が強化されたクリア音質
「Open Comm2」の最大の特徴は「最新の骨伝導技術(SHOKZ第7世代)」を採用している点です。骨伝導とは音を骨を通じて内耳に伝える技術です。外部の音を遮らないため、耳の中が蒸れたりして不快に感じることがありません。また耳を塞がない方がリラックス感があるためオープンイヤー型の方が長時間の利用に適していると感じます。
安い有線イヤホンで会議をすると高音域が強く耳がキンキンすることがありましたが、Open Comm2は低音の強さが従来製品よりも向上しているとのことで、会議時の音声は圧倒的にクリアです。
操作性とアプリ連携
タッチ操作
Open Comm2は、ありがちなタッチセンサーではなく物理ボタンで操作することが可能です。マイクミュートを誤タッチしてしまい、会議時に独り言・独りカラオケを配信してしまう心配がないのは有難いです(笑)。
専用アプリとの連携
「Shokz Connect」という専用アプリとの連携により、ファームウェアのアップデートを行うことができ、ソフトウェアのバグを修正する、最新のパフォーマンスアップデートに対応するなどの改善を行うことができます。
音楽再生はどうか?
骨伝導=音の解像度が低い、という印象があったのでOpen Comm2の音質、低音の強さは想像以上ではあります。しかし、没入感ではカナル型&ノイキャンのイヤホンには敵わないのは言うまでもありません。
私は映画を観るならSonyのヘッドホンを使いますし、外出時はTechnicsのイヤホンを愛用しています。
自宅やオフィスで会議するならOpen Comm2一択です。
まとめ
骨伝導技術を搭載したオープンイヤーヘッドセットの選択肢はそう多くありません。競合製品と比較した場合、信頼性、コストパフォーマンスを考え、SHOKZにたどり着きました。大手家電量販店で類似モデルの視聴ができたことも大きな決め手となった一つです。
長時間の使用でも耳への負担が少なく、音質や通話性能、バッテリーの持ちなど、全体的な性能が優れているので買って良かったと感じます。
価格帯は2~3万円程度と安くはないですが、その多機能性と快適さを考慮すると、価格に見合った価値が十分にあると言えます。ビジネスシーンでの使用を考えている方にはオススメできる商品です。