半年前にレビューした「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」。当初予想を上回る音質の高さはVGP2023のイヤホン部門「金賞」と「コスパ大賞」を受賞したのも納得の出来栄えだった。
それ以降もVGP2022、2023受賞モデルを連発しているSOUNDPEATSから満を持してリリースされたのがANC(アクティブノイズキャンセリング)とBAドライバー&12mmダイナミックドライバーを搭載したフラッグシップモデルである「Opera03」だ。(合計3基のドライバーを搭載したOpera05と同時予約開始)。
今回は最新モデルOpera03からSOUNDPEATSイヤホンの進化を検証していきたい。
※前回のAir3 Deluxe HSのレビュー記事はコチラ↓
Air3 Deluxe HSは、23/3/24時点でAmazonJPユーザーレビュー1761件・4.3点、AmazonUSでもユーザーレビュー600件・4.3点を獲得している人気モデルとなっている。
開封レビュー
今回も12cm角くらいのコンパクトなパッケージで届いたOpera03。
箱を開封すると中には本体(ケース&イヤホン)、説明書、USB-A to USB-C充電ケーブルのシンプルな内容物。そしてAir3 Deluxe HSがインナーイヤー型だったのに対し、Opera03はカナル型でシリコンイヤーピースが3サイズ付属する。(S, M, Lサイズ/Mサイズはイヤホン本体に装着)
AirPods Proと同じく、少し楕円形をした形状のイヤーピースは耳への収まりが良い。
本体ケースを開くと岩石のようなまだら模様のテクスチャー。個人的には好きな見た目で、コダワリが感じられるポイント。その筐体に大ぶりなイヤホンが鎮座している。
イヤホン本体が取り出しやすいように両サイドに指を入れるスペースも確保されている。
蓋にはマグネットが搭載されているのか、パチンッとしっかり閉まる感触がある。
高級感がUPした金属調のケース筐体
Air3 Deluxe HSが全体的にプラスチッキーな質感だったのに対し、Opera03では外装の質感が大幅に向上している。
ベースのマットなガンメタリックの筐体に、部分的にローズゴールドの光沢パーツがあしらわれており、2~3万円台の高級イヤホンと比べても遜色のない出来栄えだと言えるだろう。
イヤホン本体の質感・操作性も向上
Air3 Deluxe HSでレビューした際に言及した「装着感を調整する際にタッチパネルに誤タッチしやすい」という点は、Opera03の筐体デザインでは皆無。
その理由に大径ダイナミックドライバーとBAドライバーを搭載したことでイヤホン本体が大型化していることが挙げられる。その為、タッチパネルを触れることなく本体側面をグリップして装着脱が可能となっている。
一方、タッチパネル自体は大面積化しており、タップした際の反応、タップのしやすさは格段に上がっている。
Opera03/Air3 Deluxe HS/EAH-AZ60/Airpods Pro(2nd GEN)との比較
外観
筆者が現在愛用中の「Air3 Deluxe HS」、「Technics EAH-AZ60」、そして今回の「Opera03」の外観を比較した。
見た目の通りOpera03の筐体は大きくそれなりに重いが、団栗の背比べ的なもので「どれも十分に小さい」、というのが正確な描写だろうか。
ケースは丸みを帯びているのでTechnicsのように自立はしないが、逆に手のひらでの馴染みは良い。コロンとした可愛らしいシェイプは健在であり、繰り返しになるが、高級感も中々のものだ。
そしてイヤホン本体は片耳で7.2g。Technics AZ60の7gとほぼ同じくらいだ。Opera03は見た目のボリューム感があるので重そうに見えるが、実際にはハイエンドイヤホンのAZ60とほとんど変わらないことが分かる。
一つ難点を挙げると、これは多くのワイヤレスイヤホンに当てはまることであるが、ケースからイヤホンが少し取り出しにくいことだろうか。試行錯誤した結果、Opera03の場合はイヤホンを指で摘み上げるのではなく、ケース手前から奥に押し出すようにすると、”まるで巻貝からサザエの身をスルリと引っ張り出すように”取り外せる。うっかり落としそうになるという方には是非お試し頂きたい。
スペック比較
前述の3モデルにAirPods Pro(第二世代)を加えてスペックを比較した。
高級イヤホンでも採用されるバイオセルロース振動板による12㎜径のダイナミックドライバーに加え、細やかな音の再現力に優れるバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバーを組み合わせることで元々優れていた音質が底上げされている。
また連続再生時間は飛躍的に向上し、長時間の会議やフライトでもフル活用できるスペックに仕上がっている。
次項では詳しく使用感を説明していきたい。
SOUNDPEATS Opera03 | SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS | Technics EAH-AZ60 | APPLE AirPods Pro (第二世代) | |
価格 | 10,999円(通常価格) →Makuakeで最大40%OFF!! | 7,180円(実売) | 27,720円(実売) | 39,800円(実売) |
サイズ | 69x45x30mm | 57x48x22mm | 72x34x27mm | 61x45x22mm |
重量 | 総重量58.7g 片耳7.2g | 総重量36.3g 片耳4g | 総重量45g 片耳7g | 総重量50.8g 片耳5.3g |
チップ | 最新チップ ※非公開 | WQ7033M | 不明 | H2ヘッドフォンチップ |
形状 | カナル型 | インナーイヤー型 | カナル型 | カナル型 |
耐水性能 | IPX4 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
バッテリー | 9時間(連続再生) 33時間(ケース含) | 5時間(連続再生) 22時間(ケース含) | 7時間(連続再生) 24時間(ケース含) | 6時間(連続再生) 30時間(ケース含) |
通信方式 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.3 |
ANC | あり | なし | あり | あり |
マイク | 片側2つ ENC通話ノイズキャンセリング機能 | 片側2つ デュアルマイクによるクリア通話 | 片側4つ | 片側2つ ビームフォーミングマイク |
オーディオ テクノロジー | バイオセルロース振動板 12mm径ダイナミックドライバー BA型ドライバー LDAC対応 ハイレゾ認証 アダプティブイコライザー イコライザーカスタマイズ 着脱自動検知 | バイオセルロース振動板 14.2mm径ダイナミックドライバー LDAC対応 ハイレゾ認証 最小60msの低レイテンシーモード アダプティブイコライザー イコライザーカスタマイズ 着脱自動検知 | バイオセルロース振動板 8mm径ダイナミックドライバー LDAC対応 ハイレゾ認証 ノイズ低減クリアボイス マルチポイント イコライザーカスタマイズ 着脱自動検知 | 高偏位Appleドライバ ダイナミックレンジアンプ 環境適応型外部音取り込み ダイナミックヘッドトラッキング 動き・音声の加速度センサー マルチポイント 着脱自動検知 |
コントロール | 左右タッチパネル 音声アシスタント | 左右タッチパネル 音声アシスタント | 左右タッチパネル 音声アシスタント | スティック感圧操作 Siriによる音声操作 |
充電端子 | USB-C | USB-C | USB-C | LightningおよびQi充電 |
使用した感想
優れた点①「1万円前後と思えない優れたANC性能」
SONY WH-1000XM4、Technics EAH-AZ60のノイキャン機能で耳の肥えた私にとって、果たしてOpera03のANC機能はどの程度通用するか、そんな高飛車な考えは早くも払拭された。
電車の中、車通りの多い道路、そんな環境でも音楽にしっかりと没入でき、耳への圧迫感もほとんど感じられなかった。
もっとも、3万円弱するAZ60のようにノイキャンの効き具合を調整したりする気の利いた機能はない。しかし、ノイキャンの効き具合をいちいち調整する酔狂な人間なぞ一部に限られるはずで、日常使いとしてはOpera03は必要十分なANC性能を備えている。
キッチンで換気扇を付けて料理をしながらでも雑音がキャンセリングされ、音楽やコンテンツに没入できること間違いなしだ。
そして、左のイヤホンを1.5秒長押しすると、「ANC→外音取り込み→ノーマル」と切り替わる。外音取り込みは非常にナチュラルで「1万円クラスのイヤホンでもここまで来たのか!」と唸るほどの出来栄えだ。
また、カナル型でしっかり耳にフィットしていればノーマルモードでも十分な遮蔽性があると感じた。
優れた点②「ハイブリッドドライバー搭載で隅々まで感じる音のディテール」
あいにくLDAC対応機種を持ち合わせていない為、今回もiPhone13Pro、iPad Pro(2018)、そしてWindowsPCで検証を行った。
ハイレゾに対応したSOUNDPEATSならではのリアルなサウンドに加え、しっかりと音場の広がりも確保されている。同じ価格帯~2万円台の高級イヤホンの一部では低音がこもったように聞こえるモデルがあるが、Opera03では低音~高音までクリアに響かせてくれる。いわゆるドンシャリ系であるが、各音域が潰れずにディテールをしっかり感じることができた。
LDAC対応のAndroidスマホや音楽プレーヤーであれば更に高音質で楽しめるはずだ。
またOpera03は専用アプリからイコライザーカスタマイズも可能だ。数種類のイコライザープリセットに加え、アダプティブイコライザーにも対応している。私はロックやメタルを聴くことが多いので、プリセットから「ロック」を選択し低音をブーストさせて使っている。
そして今回もFPSゲームでの使用感を「PUBG:NEW STATE」を用いて実証した。
当初AirPods Proでプレイしていたのだが、指向性が全く感じられないので敵の銃撃音・足音の方向の方向性が感じられずいきなり背後からやられてしまうことが多かったので「SONY WH-1000XM4」を購入した経緯がある。
(参考)レビュー記事↓
ヘッドフォンは蒸れるので、最近はもっぱらTechnics EAH-AZ60でプレイすることが多い。そういった意味で通年使用・持ち運びがしやすいイヤホンタイプはオススメだが、今回のOpera03を用いた検証においても音の指向性を感じることが出来き、しっかり敵の位置を補足することができた。
尚、プレイの際はANCを使用した方が指向性が感じられやすいだろう。
優れた点③「イヤーピース大型化でも快適な装着感」
以前に使用していたAirPods Proは長時間使用していると耳が痛くなってくる感覚があった。おそらく筐体から伸びる”うどん”部分が耳に干渉していた為だと推測している。
Opera03はその大きめの筐体のルックスとは裏腹にイヤーピースとそれに続く豆形状の筐体が優しく耳にフィットし、長時間装着しても痛くなることは無かった。また、ちょっとやそっとでは落ちる心配はなさそうだ。音楽を聴きながらついヘッドバンギングしてしまうメタルジャンキーの人も安心して使えるだろう。
優れた点④「強化されたENCマイクと長時間連続再生でWEB会議にも」
WEB会議で使用するワイヤレスイヤホンはスピーカー性能だけでなくマイク性能も重要だ。
最近PC用外付けスピーカーとしてJBL GO2を購入したのだが、試しにWEB会議で使ってみたところ同僚から「声が聞こえにくい」と言われてしまった。元々WEB会議に特化したスピーカーフォンではなく、おまけ程度にマイク機能が付いている程度なので、マイクの基本性能の重要性を改めて認識できた。
相変わらず会社支給の「ThinkPad X13 Gen2」の付属スピーカーだと耳がキンキンするので前回購入したAir3 Deluxe HSを使用している。多くのシーンでは連続再生時間5時間のAir3 Deluxe HSは必要十分だが、稀に長時間会議では途中で電源が切れてしまうことがあった。
そこで今回の”Opera03”である。
Opera03は連続再生時間9時間とバッテリー機能が大幅に強化され、丸一日会議やセミナーを聴講する際にもフル活用できるのである。
また、「相手の音声が聞き取りやすい明瞭感とトーン」のスピーカー機能に加え、ENC(Environment Noise Cancellation)マイクという「周囲の雑音を排除し自分の声のみを拾い上げてくれる」アップグレードされたマイク機能を搭載している。
これにより長時間のWEB会議や更には長時間フライトでも安心して活用出来るスペックになった。
優れた点⑤「最新スペックにも関わらずキャンペーン価格は1万円以下」
これだけの最新のハイテク機能、優れた音質を備えたOpera03のイノベーションはまだまだ留まらない。
通常価格は10,990円であるがMakuakeの先行予約により最大40%OFFの恩恵が受けられるのだ!
音質と質感が向上したOperaシリーズをU1万円で手に入れるチャンスとあって入手争奪戦になることは間違いないだろう。
まとめ~圧倒的コスパ・ANC初心者にもオススメ~
Opera03は、既存モデルから音質を底上げした正統進化を遂げたハイスペックモデルだ。ANC搭載で音楽やコンテンツにより没入でき、あらゆるシーンで活躍する。
正直に言おう、この価格でこの音質のワイヤレスイヤホンを出されてしまってはブランド力で売っているようなチューニングの甘い高級イヤホンは行き場を失うことになるはずだ。
Makuakeの先行予約では通常価格10,990円から最大で40%OFF(早ければ早いほど高い割引率)とあってはかなり人気が出るモデルになることは間違いない。