こんにちは、ポテイトです。本日は海外出張用に購入した日本製GMTウォッチをレビューします!
購入したのは「OUTLINE パイロットクロノ20thリミテッド」!
元々は以前から気になっていたチューダー ブラックベイGMTやブラックベイProを狙っていたのですが、金欠につき今回は断念しました。しかし一度Googleで「GMTウォッチ」を検索した私をGoogleは見逃してくれません。
ちょうどクロノブンキョウトウキョウから「GMT1」というかなりイカした新モデルが発表されたこともあり、Googleニュースのオススメ記事で購買欲を刺激してきます。
「いかんいかん」と我に返りつつも、38mmケースに控えめなデザインの24時間表示のベゼル、インナーダイアルにバーガンディの洗練されたカラーリング、ヴィンテージテイストのドーム型サファイヤクリスタル風防、そしてケース厚みはたったの9.8mm(風防込みで11.7mm)!とビジネスシーンで最もハマるであろう巧みなデザイン力は流石です。ケースの磨きも丁寧な仕事をしている雰囲気が伝わります。
※ちなみに限定販売の為、既に売り切れ…
写真は公式HP(https://kuronotokyo.com/pages/gmt-1)より引用
魅力的なクロノブンキョウトウキョウを尻目に、手ごろそうなGMTウォッチをセイコー、シチズン、オリエントを始め、日本製ムーブメントであるMIYOTA9075の搭載モデルを物色します。(ちなみにミヨタはシチズン傘下のムーブメントメーカー)
そんな中、目に留まったのが雑誌Power Watchの20周年記念として、同雑誌編集長を務める菊地吉正氏がクリエイティブディレクターを務める時計ブランドのアウトライン(OUTLINE)から発売されたパイロットクロノです。
「OUTLINE」とは
アウトラインによるブランド説明は以下の通りです。平たく言うと有名時計ブランドのアンティークモデルにインスパイアされたオマージュウォッチを安価に作っているのが人気の秘訣のブランドです。仮にコテコテのサブマリーナデザインをしたオマージュウォッチだと「パチロレと思われたら嫌だな」とか思いますが、時計雑誌編集長が監修したブランドとあって、そのあたりのデザインの取込み方と言いますか”塩梅”がお上手です。
時計ブランド“アウトライン(OUTLINE)”は、「POWER Watch」「LowBEAT」そして「TIME Gear」と数々の時計専門誌を手がけている菊地吉正が、数多くの時計に長年接してきた経験を生かし、ファッショナブルで長年愛用できる時計にこだわって作りたいと、自らが立ち上げたブランドです。
https://timegear-onlineshop.com/?pid=169622262
アンティークウオッチそのものズバリではないですが、機械式腕時計の黄金期だった、1940〜60年代の雰囲気を大切にし、その時代のテイストを日常使いで楽しんでもらえるものを提供したいという思いから、「概略・あらすじ」といった意味合いの “アウトライン(OUTLINE)”というブランド名を付けました。大人の男性でも安っぽくなく安心して着けられて、しかもファッション的にもいい感じで決まる。そんな時計を小ロットでこぢんまりと展開していきます。
アウトラインのパイロットクロノを選んだ理由
アウトラインはヴィンテージロレックスのエクスプローラーにインスパイアされたパートナーシリーズ、デイトナライクな2レジスタークロノ、サブマリーナライクなネイビーダイバー、等々、複数モデルを展開しています。
その中でもコアな時計マニアしか知らないであろうヴィンテージウォッチの雰囲気を醸し出す本モデルが最も印象的でした。私自身ヴィンテージが好物であることも惹かれた理由です。
①ヴィンテージクロノグラフをオマージュ!
アウトラインパイロットクロノ20thは、アンティークウォッチの名作「ギャレット社のフライングオフィサー」をオマージュして作られたモデルです。
1940年代に世界初のワールドタイム機能を持ったクロノグラフとして名を馳せた時計です。
中古市場で買おうとすると50〜60万円くらいの相場感で、状態が良いものは100万円を超えるものもあります。
何とも雰囲気の良いモデルですが、そのデザイン性を巧みに取り入れているのが魅力です。
②安心のSEIKO製メカクオーツ「VK64」
搭載されているムーブメントは日本が誇るセイコーのメカクオーツVK64です。基本はクオーツですが、クロノグラフ部分は機械式になっています。
VK64メカクオーツについてはHEMELのウェブサイトで詳しく説明されています。
Hemel Airfoilは1970年代のパイロットウォッチから着想を得た手巻きの機械式クロノグラフです。Hemel…
月差±20秒と高精度で本体も軽いです。オーバーホール代を気にする必要がないのは良いものです。
③コダワリの割に控えめ価格設定
そしてこのパイロットクロノの価格は37,400円です!
こだわりのダイヤルデザイン、ドーム型風防、イージークリック式レザーベルト等のディテールで3万円台で買えてしまうのは親切すぎる価格設定です。
開封レビュー、ディテールをチェック!
緩衝材付きの箱に入って届いたパイロットクロノとご対面!
このヴィンテージテイストのレザーベルトが時計本体の雰囲気と絶妙にマッチしています。
裏蓋には20周年記念とシリアルナンバーの刻印があります。組み立ては日本で行われているので「Made in Nippon」との印字もされています。
レザーベルトの裏側は防水のロリカだと思われます。カシスのグルノーブルのようなベルトです。
横から見るとぷっくり膨らんだドーム型プラスチック風防がヴィンテージ・アンティークの雰囲気満載。
ただ、わがままを言えばケースサイドはポリッシュではなくサテン仕上げが良かったです。アンティークウォッチのデザインなのに若干ピカピカ光っているのはミスマッチです。
しかしこのインダイヤルのデザインは凝っていて見ていて飽きません。
クロノグラフ針は赤針で右上のスイッチでスタート・ストップ、右下のボタンでリセットです。
機械式のような操作感が味わえます。
ボタンはしっかりとしたクリック感があり、硬めの押し心地です。スタート・スイッチボタンはあまり反応が良くなく軽く押すと反応しないことがあるので、奥までグッと押し込まないといけません。正直あまり使うことは無いので、おまけ程度の機能と考えています。
本体サイズと着用感
ケース径42mm、厚み14.5mmと聞くと大きく感じる方が多いことでしょう。
しかし、風防の径は35.4mm、ケース本体厚み(風防除く)は11mmの為、数値ほど大き過ぎる感覚はありません。
腕周り17cmで以下のようなサイズ感です。時計を腕に付けた写真は肉眼で見た時より大きく見えるので、SNSやYouTubeだけで判断するのは中々難しいものです。
インデックスのアラビア数字は夜光になっています。しかし蛍光塗料の量自体はそこまで多くなさそうなので、暗闇でガッツリ光るまではいかないです。私は夜光に頼るシーンはほとんどないので困ることはありません。
革ベルトが痛まないようSEIKO製Dバックルを装着
付属のレザーベルトは通常のピンバックルだと痛みそうなのでセイコー製Dバックルに交換してみました。セイコーのDバックルは汎用性が高く隠れた名品だと思います。
試しに色々とベルトを交換してみたところ、ブラックのNATOベルトは結構しっくりきました。
GMT機能は正直使いにくいかも
期待していたGMT機能ですがベゼルを見て頂くと分かる通り12時間表記です。一般的なGMTウォッチは24時間表記なので、トゥルーGMTとは言えません。
ベゼルも右回転しか出来ず両回転にしなかった理由が不明。基本的に日本に居ながらにして海外の時間を確かめるコーラーGMTの簡易版という位置付けでしょうか。また海外渡航時にホームタウンである日本時間を確かめる事も出来ます時差の計算が少々面倒です。
まとめ
価格帯を考えれば文句は言えませんが、やはり良くも悪くもチープさを感じてしまいます。「良くも」の部分で言えば、アンティーク・ヴィンテージは当時の加工精度も今ほどではなく、良い意味でのチープさがあるので、それを忠実に再現したという解釈も出来なくはないからです。
「悪くも」の部分で言えば、ケースがポリッシュであることによる安っぽさが雰囲気を台無しにしている感がある点です。多少値段を上げてでもサテン仕上げ、或いはエイジド加工をして欲しかったところです。(あくまで主観です)
アウトラインのパイロットクロノはある意味「大人のおもちゃ時計」として遊び心で買うのが良いと思います。期待し過ぎるとがっかりすると思います。
ただ、セイコーのクオーツムーブメントは大変優秀です。高精度のため時刻合わせがほとんど要らず、機械式と違ってゼンマイを巻く必要が無いのはかなり実用性が高いです。
後はスチールケースのエイジング加工の方法を模索してみようと思います。