今回は2022年に購入したエムピウ ミッレフォッリエⅡ P25のANGER別注「ITALICOレザー」のエイジングについて書いていきます。
↓「ミッレフォッリエⅡ P25 ANGER別注ITALICOレザー」の購入レビュー記事はコチラ。
入手困難なミッレフォッリエとの奇跡の出会い。エイジングさせながら長く使うなら「エムピウ」！…
ITALICO(イタリーコ)レザーとは
ANGER別注のミッレフォッリエに使われている「イタリーコレザー」は革の名産地イタリア・トスカーナのConceria Puccini Attilio(コンセリア プッチーニ アッティリオ)という工場で作られているもの。
トスカーナと言えば他にも「プエブロ・ミネルバ・ブッテーロ・エルバマット…」等々、革好きならよく耳にする植物タンニン鞣しレザーの名産地であります。
色艶が増し、傷も味になる
そんなトスカーナ産レザーとあってか、ブッテーロレザーによく似た質感と言えば分かりやすいでしょうか。結構繊細なレザーという印象で、「傷が付いたら嫌だな」とか思っていたのですが、ある日バッグのファスナーポケットから取り出す際に激しく傷を付けてしまい凹んでいました。
メンテナンスも兼ねて「コロニル1909シュプリーム」を指で少量手に取り革に馴染ませてからしばらく使用していたところ、気が付くと傷の色が濃くなり目立たなくなっていました。
イタリーコレザーは傷が付きやすいレザーです。そして傷が消えるタイプのレザーではありません。しかし、傷がレザー本来の色味に徐々に馴染み、気になることはなくなります。
こうして革のスリ傷は「味」となっていくのです。
元々色ムラ感のあるイタリーコレザーですが、そこから更に深みが出てくるもの魅力です。
ブスケットやプエブロ、ミネルバ等のレザーと比べても軽量なのも良いです。職人技により、「革の耐久性」と薄く漉いて「コンパクトに仕上げる」、このあたりのバランスが絶妙なのかもしれません。
内装はこげ茶のピッグレザーです。特にエイジングはありませんが、カードの出し入れに伴う伸びも少なくタフな素材です。
プエブロレザーとの比較
昨年同時期に購入したプエブロレザーのiPhoneケースと色変化を比較してみます。
↓ プエブロレザーiPhoneレザーの購入レビュー記事
スマホケースは表が「オーシャン」、裏が「オリーヴァ」というカラーの組み合わせです。
表裏共に当初のスクラッチ加工による白っぽい風合いは消え、オーシャンは深緑に、オリーヴァはカーキグリーンの色合いを残しています。イタリーコレザーのムスキオ(苔)カラーと近いですが微妙な違いがあります。
一般的にエイジングレザーというのはラギッドでカジュアル感が出ると思うのですが、プエブロは真にそのタイプの革です。バリバリエイジングさせてますっ、という雰囲気がプンプンする革です。
一方のイタリーコレザーは光の当たり具合により鏡面のような輝きを放つ深みのあるエイジングなのでとても上品です。
まとめ
ANGER別注のイタリーコレザーは、最初の印象としてはあまりエイジングしないレザーだと思い込んでいました。しかし、日々の使用により少しずつではありながら着実に表情が変わっています。また、キズは思ったほど気にする必要はなく、タフなレザーだということが分かりました。
プエブロのようにエイジングが速くないので、ゆっくりとエイジングを楽しみたい人にとっては間違いなく刺さるタイプのレザーではないでしょうか。
ワイルドスワンズのヌメ革財布のエイジングがあまりにも緩やかすぎて断念した私が言えること立場ではないのですが、アンティークレザーのような色斑のあるイタリーコレザーなら、既にエイジングされたレザーのような雰囲気を味わいながら、更により深く魅力的な自分だけのエイジングを楽しめるはずです。
