
「UNTRACK」とは
UNTRACK(アントラック)は、“URBAN×OUTDOOR”をテーマに都市と自然、オンとオフのシーンをシームレスにとらえたバッグとウエアを展開するライフスタイルブランド。日本のバッグブランドであるACE社が展開するレーベルです。ストーリー性のある厳選された素材を用いて、多彩な機能をオーセンティックなデザインに落とし込み、都市に生きる現代人の生活を、より自由で快適にしていくことがブランドの哲学です。
ミリタリーマニアも唸る素材使い

今回購入したモデルは「VENTILE COTTON(ベンタイルコットン)」が使用されています。ベンタイルは、細番手のコットン双子を限界まで打ち込み、高密度に織られた生地。かなり密度が高く、天然素材ながら水や風の侵入を防ぐ機能を有している高機能素材です。さらにUNTRACKでは生地の裏側へ特別な加工を施し、表面の生地感を損なわずに生地の張り感と高級感が出るよう工夫されています。
ベンタイルはイギリスで第二次世界大戦時にパイロットの軍服用として開発された生地です。当時は戦闘でパイロットが海に落ちると海水温の低さから数分で命を落としてしまう事例が多く発生したようです。そこでベンタイル生地が開発され、これにより20分以上の延命に役立ち、海の上でのパイロットの生存率が上がったというエピソードがあるほどストーリー性のある素材なのです。
ヘルメットバッグって使いにくくないの?
当初、私のヘルメットバッグの印象は、「バッグが深くものが取り出しにくそう」「マチが小さく収納力は高くないだろう」というものでした。結論から言うと、それらの懸念は全て払拭されることになります。
やはりそこはバッグ専業ブランドであるACEの素晴らしいところで、細かい部分まで「とにかく使いやす工夫」が施されています。次項から一つずつ優れた点を紹介していきます。
程よいサイズ感と多彩なポケット
バッグサイズは「H39×W43×D9cm」と使いやすいサイズですが、ポケットが多くとにかく沢山ものが入ります。
フロントと背面収納

フロントにも大きなポケットがあり、スペック上9cmのマチ以上の収納力を備えていることが分かってきました。
ファスナーの滑りの良さもさることながら、フロントポケットの裏地は柔らかいパイル生地になっているので、傷つきやすいコードバンの長財布などを入れるのも良いですし、小型の折り畳み傘やペットボトルもすっぽり入ってしまいます。モバイルバッテリーや充電器、マウスなどの電子機器を入れても良いと思います。
背面はスナップボタンで留める大きなポケット。展示会でもらったカタログ類も余裕でどんどん入れていけますし、新聞や雑誌を入れるポケットとしても使え、活用の幅はかなり大きいです。
スマホポケットがこの位置にあるのも秀逸で、さっと取り出すことができます。私のiPhone 15 Plus(保護ケース付き)も難なく収納できました。

メイン収納部
メイン収納部の背面側にはクッション付きPCスリーブがあります。ビジネス鞄を多く手がけるACEらしい気遣いです。ビジネスでも活躍させられます。

メイン収納部のフロント側には大きなメッシュポケットが2つ。このメッシュポケットの大きな利点として「マチが大きめにとられている」為、かなりの収納力があります。ここにペットボトルも入れられますし、名刺入れやハンカチ、ティッシュ等よく使うものをポンポン放り込んでおけます。

更にファスナーポケットもあります。普段あまり使うことはなさそうですが、一泊するときのワイシャツやインナーを入れておくポケットとして良いかもしれません。

キーポケットは120点!
UNTRACKのポケットの作りこみはこれだけではありません。ちゃんと取り出しやすい位置にキーポケットが付いているんですね。

ちゃんとキーストラップまで付いてきます。

私はこのポケットにキーケースの他、イヤホンとバッグハンガーを入れています。このポケットは本当に使いやすく、新幹線の切符をサッと入れておくポケットとしても重宝しています。
バッグの中をゴソゴソする必要がないだけで、こんなにストレスフリーになるのだと感心しました。

しなやかさがあり軽量な作り
高密度で撥水性のあるコットン生地というと硬い生地をイメージしていましたが、実際にはとにかくソフトで背負った時のしなやかさが癖になります。硬い部分がないので、男性だけではなく女性にもお勧めしたいほどです。前述のとおり、多くのポケットを備えながら重量はたったの「820g」!手に持った時の軽さは感動的です。

このくらいの荷物は余裕で収納できてしまいます。沢山入るからといって入れ過ぎには要注意です。

ハンドルは本革で補強、持ちやすい剛性感とハンドル幅
私はバッグを買うときに重要視する点の一つとして持ち手(ハンドル)があります。ここがふにゃふにゃしていたり、手にしっくりこないと使っていて疲れるからです。
UNTRACKは少し細めのハンドルでグリップしやすく、それでいて本革で補強されていて剛性感があるのでとても気に入っている点の一つです。逆にハンドルの作り込みが甘いバッグは買うべきではないと断言します。

使い方に合わせた2種類のバッグ留め具


こちらのバッグはファスナーに加えて簡易的にフックストラップの留め具もあります。バッグ内に素早くアクセスしたい場合は簡易的なフックストラップが役立ちますし、バッグ内の小物が飛び出ないようにしたい時にファスナーがあれば安心です。ここまで作り込みされているともはやデザイナーの方に感服です。
スタイル例を紹介!
ビジネスシーン(手提げパターン)

実際のスタイリング事例を紹介します。まずはジャケパンスタイルに合わせてみました。化繊生地のような光沢感が抑えられ、「マットブラック」といった落ち着いた色味のため、ビジネスでも違和感なく溶け込みます。
カジュアルシーン(肩掛け)

ショルダーストラップが太幅なので肩の荷重を分散してくれ、更にしなやかな素材感も相まって背負い心地は上々です。モノも沢山入るのでショッピングバッグ要らず。私は買い物にいくとワインボトルを2本程入れています。
唯一の弱点は「ホコリの付きやすさ」

コットン生地なのでブラックやネイビーだとホコリが若干目立ちます。私は粘着テープで取っていますが、ホコリが付きにくいコーティング等があると良かったかもしれません。
UNTRACKには高密度ポリエステル「Dicros Solo」を使用したDSシリーズもあるので、どうしてもホコリが気になるという方はそちらをオススメします。
まとめ
今回購入したUNTRACKですが、オフィスシーンがカジュアル化していく中で「丁度良いところ」を突いてきたなという感想です。定番のブリーフケースだとカッチリしすぎていてオシャレ感が無いと感じている方には是非トライしてほしいと思います。この作り込みで「U2万円」はビジネスバッグのマーケット価格を考えても破格です。次もバッグを新調するタイミングではUNTRACKが真っ先に候補に挙がるはずです。